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今日の法話2007/03/14

「共命之鳥」(ぐみょうしちょう)という鳥

皆さん こんにちは。

復次舎利弗、彼国常有 種種奇妙 難色之鳥。白鵠孔雀 鸚鵡舎利 迦陵頻伽 共命之鳥。是諸衆鳥、昼夜六時 出和雅音。其音演暢 五根五力 七菩提分 八聖道分 如是等法。其土衆生、聞是音已、皆悉念仏、念法念僧。

また次に舎利弗よ、かの国には常に色とりどりの珍しい鳥がいる。白鳥・孔雀・鸚鵡(おうむ)・舎利・迦陵頻伽・共命の鳥の諸々の鳥である。これらの鳥が、昼夜三回、優雅な声で啼いている。この声は五根・五力・七菩提分・八聖道分など、このような法を説き明かしている。この国の衆生はこの声を聞き、皆すべて仏を念じ、法を念じ、僧を念じている。(意略)

上記、阿弥陀経で、お釈迦様は、お浄土は麗しく艶やかな阿弥陀の世界であるとお説きになり、そのお浄土には、阿弥陀様が変化(へんげ)した様々な、色とりどりの珍しく綺麗な鳥が存在しており、その鳥たちは、優しく艶やかな声で啼き、仏法の尊いことを褒め称え、仏法のまことに生きよとすすめられているのだと説法されています。
この鳥の中に、「共命之鳥」(ぐみょうしちょう)という鳥が登場します。
当寺のお内陣の欄間にも、六鳥の一つとして描かれています
本日は、この「共命之鳥」についてお話したいと思います。

いったいどんな鳥かと申しますと、鷓鴣(しゃこ)あるいは雉(きじ)の一種で、やはり美しい鳥で、雪山に住むと言われています。
そして、一身二頭、心も二つある鳥だそうです。
体は一つで頭は二つ、心も二つですから、いつも片方は、相手さえいなかったら、自分一人で美味しい物が食べられると思っています。
そして、最後には、相手を殺してしまおうと思います。
しかし、その名の示すように、一身二頭で、命を共にするのですから、相手が命を落とせば、自らも死なねばなりません。

この「共命之鳥」なる鳥が浄土に存在すると阿弥陀経に説かれています。
しかも、この鳥は、阿弥陀様が姿を変えた鳥なのです。

私たちは、この鳥を通して、私の生き方を学ばなくてはなりません。
私たちのことを、この世の「共命之鳥」と考えてはどうでしょうか。
一見平和そうに見える毎日ですが、世界を見れば、戦争が行われている国があります。治安が良いとされていた日本でも、テレビや新聞が、殺人を報道しない日がありません。
個人を見ても、今日起きて、「よーし、今日は、ひとつけんかしてやろう!」
そんなことを思う人はいないでしょう。お互い慰めあい、協力し合い、いたわって仲良く生きていこうと思っています。
しかし、いさかいや争いが絶えません。

私たちは、阿弥陀様が、この「共命之鳥」に姿を変えて下さり、「相手を倒すと共に、自分も傷つき倒れていくのだぞ。」とお示し下さっていることに気づかねばなりません。

平成19年3月14日