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今日の法話2021/01/01

私の生き方

皆様あけましておめでとうございます。

新型コロナウイルス感染症による苦悩の中にある今だからこそ、人生の意味、人生の問いついて考える必要があります。

私の好きな本にヴィクトール・E・フランクルの著書『夜と霧』があります。
オーストリアの精神科医でもあり、ユダヤ人の心理学者フランクルが強制収容所の過酷な体験を通して、《人間とは何か》を語る世界的ロングセラー本です。
本書が日本で出版されたのは、1956年ですから、私が生まれる2年前です。
世代を超えて読みつがれ、世界中の人がこの本により勇気づけられ、生きる希望を見出したと言われています。
フランクルは著書の中で言っています。
「人間は相当な苦難にも耐える力を持っている。しかし、意味の喪失には耐えられない。」
では、人生の意味とはなんでしょう。
私たちは辛く苦しい状態に直面した時、人生に向けて問いを発したくなります。
「この苦しみに何の意味があるのだろうか。」
しかし、フランクルは答えます。我々が問うのではなく、人生が私に問うているのである。そして、私たちは生き方によって人生の問いに答えることが出来るのである。
では、私の生き方とはなんでしょう。
 
私たちは仕事、健康、子育てなど、人生に生きがいと意味を求め人生を歩みます。
しかし、それらは重要なことではありますが、定年、病気、子どもの成長により、さびしいことですが生きがいとは言えなくなる時が訪れます。

仏説無量寿経のお釈迦様のお言葉です。
『およそ人と生まれることはかたく、仏の世にあうこともまたむずかしい。ましてや信心の智慧を得るのはさらにむずかしい。もし法を聞けば、つとめて道を求めるがよい。聞きえたところをよく心にとどめ、仏を仰いで信じよろこぶものこそ、われの善き親友である。』

私たちは生まれ難くして人の世に生まれ、会い難くしてこの世で仏様のみ教えに出会うことが出来ました。今生の命が終わった後には浄土に生まれ仏となる喜びを人生究極の意味とし、ご本願を信じ喜び、お念仏する人生を送ることが出来ます。
念仏生活を送ることは人生の問いに答えることになるのです。
今年こそはコロナが終息し、平穏な日々が訪れることを願っています。