おおきくなったら。お坊さんになりたい…
保育園の頃のことです。先生が「おおきくなったら、何になりたいですか?」と課題を出され、全員でお絵かきを行ったのですが、私はお坊さんの絵を描き、「大きくなったら、お坊さんになります。」と言ったぐらい、僧侶になることは、お寺に生まれた自分の使命であるとの思いを幼少の頃から持っていました。
地元の中学・高校、その後、真宗学を学ぶために龍谷大学へと進学し、歳を経ると共にその使命に近づきつつある自分を確信してまいりました。
大学を卒業し得度を済ませ自坊に帰ってからは、大学時代に入部していた宗教教育部の経験を生かして子供会活動などを積極的に行いました。
法座活動はもとより、教化組織の拡充、寺報の発行、テレホン法話、本山への団体参拝等々、決して暇がある日々ではありませんでした。
しかし、もっと幅広くもっと深く地域や社会に寺や宗教心を知らしめていくには、まず自分自身が広い見識と知識を身につければならない。このことは、常に自分自身への課題でもありました。
そこで、様々な縁を利用して、県内はもとより、海外等へも度々研修に出かけ、貴重な体験を通じて多くの事を学ばせていただきました。
人が存在し行動するには多くの「ささえ」が必要であり、先人たちはその意味のことばとして、「おかげさま」という言葉を残してくれました。
私がここに存在するのは、多くの人とそして自然の陰となり日向となる恵みによるものであるに違いない。 「お」をつけて「おかげ」という言葉になり、それではまだもったいない。「さま」をつけて、「おかげさま」と呼ばれるようになったように、おかげさまのこころを忘れることなく、感謝の気持ちをもって、僧侶としての人生を歩んでいきたいと思います。