最新情報Information

  • すべて
  • お寺からのお知らせ
  • お寺の行事
  • 今日の法話
  • 釋紗音の手書き新聞
  • 教化団体からのお知らせ

今日の法話2010/04/13

「物で栄えて心で滅びる時代」

門徒を引率して上山した昨年10月の念仏奉仕団。
それがきっかけで禁煙しました。
そして、半年弱が経過しました。
あの広大なご本山に、喫煙場所がたった一ヶ所しかなかったのです。
喫煙場所へ行くのに非常に時間を要しました。
そして、禁煙を決意。
それだけの理由で?と言われそうですが‥‥。
禁煙当初はタバコの夢を見るほど辛い日々が続きました。
しかし、今では吸うことを思い出すことも少なくなりました。
おかげで食事がおいしく、なんと4キロも太ってしまいました。
それだけタバコは体に悪いのです。
ご門徒から、「住職さん、太ったネ。」とよく言われます。
「貫禄あってその方がいいよ。」とも言ってくれますが、どうも本心からとは思えません。
そこで最近は運動を始めました。
タバコ代も不要、タバコを吸う場所を探す必要もない。
部屋や車の中が汚れない。
禁煙は、良いことづくめです。
もし、あなたがタバコを吸っておられるなら、禁煙をお薦めします。

さて、話は変わりますが、90才近い門徒のおじいさんから、またまた教わりました。
「院主さん、花見はしたか。」(おじいさん)
「いえ、今年もいけそうにありません。」(私)
「わしは昨日一人で自転車乗って行ってきた。」(おじいさん)
「ばあさんがおった時は、ばあさんと一緒に自転車こいで二人で花見に行ったもんじゃ。」(おじいさん)
「家族のために、時間を作らんといかんぞ。」(おじいさん)
「この年になって、後悔しとる。」(おじいさん)
「わしは仕事ばっかり優先して、家族との大事な時間を過ごせんかった。その時間ができんことはなかったのになあ‥‥」(おじいさん)
「院主さんもわしみたいに後悔せんようにな。」(おじいさん)
「大事なものを大事にする。当たり前のことができんとな。」(おじいさん)
「そういうことや。」(おじいさん)

こんな話を聞いたことがあります。
死ぬ間際に、「もっと仕事して、もっとお金を儲ければよかった。」と言う人に出会ったことがないが、「もっと家族と笑ったり楽しんだりする時間を持てばよかった。」と後悔する人を何人も見てきた。おじいさんの話を聞きながら、そんな話を思い出しました。

テレビで放映された映画『ALWAYS 三丁目の夕日』見ました。
この映画は以前から見たいと思っていたものです。
時代が昭和33年ですから、ちょうど私の生まれた年の話です。
感動して涙がとまりませんでした。
本当の豊かさとは何なのかを教えられ、人の温かさ、ぬくもりが伝わる内容でした。
今の時代に忘れられた人情とか価値観を思い出させてくれるものでした。
私が小学校の時、初めて我が家にカラーテレビがやってきた時、純粋にうれしかったことを思い出しました。
小学校に入学する前、電話は隣の八百屋に借りに行っていたことを思い出しました。
寺の前の神社の境内で、ぱっちん(メンコ)を夕方遅くまでしていたことを思い出しました。
カビくさい布団、五右衛門風呂、継ぎの当たった服、僕だけが特別ではなく、皆がそうだった。
しかし、物を大事にする気持ちがあるから、人も大事にしていた。
友達同士の上下関係やお年寄りを敬う気持ちを皆が持っていた。
しかし、現在は、「物で栄えて心で滅びる時代」になってしまった。
「物で栄えて心で滅びる時代」とは、「真の豊かさ、本当の幸せを実感できない時代」なのです。
だから、皆が幸せを感じられない。
豊かであっても豊かさを実感できない時代。
≪心は巧みな絵師のごとし≫
心ひとつで、幸にも不幸にもなる。
心ひとつで、豊かにも貧しくもなる。

『続ALWAYS 三丁目の夕日』も早速レンタルして見たいと思います。

H22.4.13