今日の法話2014/04/25
「阿弥陀様のぬくもり」
仏教では人間に生まれたということについて、二通りの説明があります。
一つは生が苦悩の始まりあり、人生は一切皆苦だということです。四苦八苦の四苦とは生老病死で、生を苦悩の第一に置いています。生まれることがなければ老病死はないのですから、生は死の根本だということです。
もう一つは、人間に生まれるということは、有難いことだということです。
なぜなら、真実の教えである仏様のみ法に出会うことができるからです。
苦悩のままで一生を終わり、また再び苦悩の世界へと転生していくのか、仏様の救いにあって悟りの世界に仏として生まれていくかは、死んでからではない、この世で決定するのです。
だから、苦悩の中に生きながらも、阿弥陀様の救いに会うことのできた人生は幸せいっぱいの人生になります。
けっして、私の苦しみが無くなることはありませんが、私の苦しみをしっかりと受け止めて下さる阿弥陀様の存在は、私が苦を苦と感じないほどのぬくもりとなるのです。
み法に会うということは私の存在が明らかになるということです。
気付かなかった愚かさにも気づきます。
全てのものに支えられている私であったと知らされます。
自ずと感謝のお念仏が口から出てくるのです。
南無阿弥陀仏
2014.4.25