先日、玉野市仏教会の研修で「納棺体験」を経験しました。
仏教会会長の任期は二年ですが、私が会長を務める二年目の研修として、提案させていただき実現しました。
棺の中に入る方の葬儀を執り行う僧侶が、自ら棺に入り、中に入る方の気持ちをあじわうことが目的です。
棺の中に入り、白い枕に頭をのせ横たわり、白い布団をかけてもらいました。
棺のふたが閉められると、中は真っ暗で、狭く、不安な気持ちになりましたが、しばらくすると、棺の小窓が開かれ、そこからは懐かしい知った顔(市仏会員の僧侶ら)がのぞき込んでいます。
不安な気持ちは消え、たちまちに、こころが落ち着きました。
亡くなられた方も、こんな気持ちで棺に入られているのではないかとあじわいました。
その研修後も葬儀を何度か執り行いましたが、棺の小窓を開けて、お顔を拝見しながら、
「阿弥陀様がお救い下さいますよ。また、お浄土でお会いしましょうね。」と呼びかけ、お念仏させていただいています。
しかし、ご遺体が存在する間は、お顔を見たり、呼びかけたりすることができますが、その後はどうでしょう。
今、お浄土へと参られた方に、どのように呼びかけたらよいのでしょう。
こんな心の内を話される方もおられます。
亡くなられた方と出会う場所は、お仏壇の前であったり、お墓であったり、お寺なのですが、同時に、いつでもどこでも南無阿弥陀仏とお念仏を称える時が、今ここに至る亡き人との出会いの場なのです。
亡き人は、諸仏となって皆さまと寄り添い、うれしいときは共によろこび、悲しいときは共に悲しんで下さいます。
南無阿弥陀仏と呼びかけましょう。
亡き人も喜んで下さいますよ。 H26.12.9
▲納棺体験