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今日の法話2018/07/21

「還暦を迎えて」

皆様こんにちは。暑い日々が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

まずは6月に発生した大阪北部地震及び平成30年7月豪雨により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、亡くなられた方、そのご遺族の方に、心より哀悼の意を表します。

さて、前回の手書き新聞に写真入りで掲載させていただきましたが、今年の2月に私の還暦祝いで、娘たちが、一泊二日で旅行を企画し、家族全員を招待してくれました。その泊りは、私と母の二人部屋で、数十年ぶりに母と枕を並べて寝ました。母との相部屋も娘たちからの還暦祝いの一つであったように思います。
夜、母の寝息を聞きながら、子供の頃のいろんな思い出が蘇りました。
子供の頃の朝食は、いつも味噌汁に目刺しや鮭の焼き物だったなあ。
高校生になると、弁当を毎日作ってくれたなあ。美味しい卵焼き、白飯の上には私の大好きな糸昆布の佃煮がいつも載っていたなあ。
小学校の時、参観日に着物姿で来てくれたことがうれしかったなあ。
そんな母も今年85才になり、食事を作ることも、ままなりません。
つい、若かった頃の母の姿と重なり、様々なことができない母にいら立ち、きつい言葉を言ってしまいます。
言った後は、心が苦しく、夜は中々寝つかれません。
そんなお粗末な私です。
「年寄りをばかにするなよ。お前も行く道ではないか。」という言葉を聞いたことがあります。確かに私も行く道です。

母と毎日、阿弥陀さんにお礼のお参りをしますが、母はいつもうれしそうにお念仏しています。
心を込めて南無阿弥陀仏を称えることが阿弥陀さんの救いにつながるのなら、心を込めることができなくなった時は救われません。
阿弥陀さんによって仕上げられた南無阿弥陀仏なら、心で念ずる必要はない。
いや、かえって私のはからいが邪魔になる。それが、他力の救いです。

いつも、阿弥陀さんのおはたらきの中の私なのです。

南無阿弥陀仏