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今日の法話2019/01/01

「歓喜」

 皆さま、明けましておめでとうございます。
 
 蓮如上人の白骨の御文章に「朝(あした)には紅顔(こうがん)ありて、夕(ゆうべ)には白骨(はっこつ)となれる身なり、‥‥」とありますが、皆様はご自分のこととしてこの御文をお聞きになっていますか。

 数年前のことですが、声がかれるので近くの病院で検査してもらったところ、喉にポリープが出来ていると言われ、大きな病院で再検査をすることになりました。悪性なら喉頭癌です。お陰様で良性だったので終診となりましたが、喉頭癌に関する情報やニュースばかりが耳に入り、癌ではないのか、声を失ったら、どうやってお参りさせていただこうか、厳しい癌治療のことや、死を想像してしまい、検査結果が出るまで不安な毎日でした。

 いつか命の終わる日が来ることは解ってはいますが、まだ死にたくはありません。ご門徒の方に「いのちのはかなさ」を伝えている立場の私ですが、実感して人間の苦悩と弱さを知ったような気がしました。

 私たちは人生の問いとして、「いったい何のために生きているのか」「死んだらどうなるのか」を否が応でも「考えざるを得ない場面」に出会います。
自分自身が病気になった時、家族が病気や亡くなった時、その問いに対する答えを求めますが、人間の知識や経験、理論や理屈の中にそれ求めても答えは見つかりません。

 私たちは死ぬいのちを生きているのではなく、仏になるいのちを生きています。しかし、私たちは仏になる種など持ち合わせていません。
浄土真宗のみ教えは、阿弥陀様が南無阿弥陀仏の仏となって、私のところへ出向いてくれ、不安の中でたじろぐ私に寄り添い、いのち終えたら浄土に生まれ仏になる教えです。
 人生の闇は阿弥陀様の光明で光り輝く人生へと転じられるのです。

 今年も仏法をよりどころとして、お念仏申す歓喜の日々を過ごさせていただきましょう。