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今日の法話2020/08/29

コロナウイルス感染症が社会の変化に拍車をかける!

煩悩具足の凡夫
火宅無常の世界は
よろづのこと、みなもって
そらごと、たはごと、まことあるなきに、
ただ念仏のみぞ、まことにおはします
       親鸞聖人(歎異抄後序)

※現代語訳
わたくしどもはあらゆる煩悩をそなえた凡夫であり、
この世は燃えさかる家のようにたちまちに移り変わる世界であって、
すべてはむなしくいつわりで、真実といえるものは何一つない。
その中にあって、ただ(阿弥陀如来の本願の)念仏だけが真実なのである。
       歎異抄(現代語版)

欲や妬み嫉みなど、煩悩だらけの存在を凡夫と言います。
そして、凡夫の住む世界は火の付いた家のようで、不安で恐ろしく仕方ありません。そんな中、阿弥陀様の本願のみが真実だと親鸞聖人は歎異抄でお言葉を述べてられています。

パソコンやスマートフォンにより、インターネットを使用すれば、わからないことを人に聞かなくてもよくなりました。
昔は行きたい場所へ行くにも人に尋ね、地図を開いて目的地まで行きましたが、今はナビが目的地まで連れて行ってくれますので、人に道を聞かなくても良くなりました。
このように人と人の交わりを必要としない社会になりつつあります。
そして、この度のコロナウイルス感染症の流行がそんな社会の変化に拍車をかけました。
リモートワーク、リモート飲み会やリモート帰省など、離れていてもパソコンやスマートフォンを使って遠隔で仕事や飲み会、帰省を行うという新しい生活様式も生まれました。
また、ここまで来たのかと将来を危惧しますが、パソコン上で法要を行うネット供養やスマートフォンの画面上で葬儀に参列するインターネット葬儀なるものまで出てきました。

人智の結集により、一見社会は便利になったようにも思えますが、便利とは裏腹にいじめやうつ病、自殺など、心の問題が益々深刻な社会問題になっています。正に人智の限界と言わざるを得えません。

念仏のみが真実であるとの聖人のお言葉を体して、見捨てはしないと抱きとめて下さる阿弥陀如来のご本願を拠り所に、人生本質の問題を解決していきましょう。