WHOがソーシャルディスタンス「社会的 距離(心理的なものを含む人と人との距離)」からフィジカルディスタンシング「社会的関係は維持し、身体的距離を確保」に言い方を改め、言葉の使用も移行されつつあります。
感染への異常な不安により、人と人との間に心理的にも接触を回避する悲しい現象が生じ、感染者に対する差別を生みました。
コロナ差別の話を聞く時に、人々は「やさしさ」を忘れてしまったのかと寂しさを覚えます。「やさしい」の語源は「痩せる」で、「己の身を細らせるほどに人や世間に対して恥ずかしい」の意味です。その恥ずかしさを優雅、優美であると評価するようになり、やがて「心づかいが細やかで思いやりがある」の意味に変化しました。
『仏説無量寿経』に「和顔愛語にして、意を先にして承問す」とあります。「表情はやわらかく、言葉はやさしく、相手のこころを汲み取ってよく受け入れ」の意味です。相手の身になって、穏やかな笑顔とやさしさいっぱいの言葉で相手の気持ちを察し接することをお釈迦様は教えて下さいます。
人と人とのこころの距離を縮めながら、物理的距離は維持し、感染に注意しつつ、この大変な状況を乗り越えましょう。