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今日の法話2022/01/01

「人身(にんじん)受け難し」

新年明けましておめでとうございます。
今年も百八の除夜の鐘を突き、新年を迎えました。

お釈迦様の言葉に「人身(にんじん)受け難し、今すでに受く。仏法聞き難し、今すでに聞く。」(人としてこの世に生まれることは難しく、仏法に出会うこともまた難しい)《礼讃文(らいさんもん)》とあります。
「生まれがたい人間に生を受けてよかった。仏法に出会えてよかった。」と喜びを語っておられます。
お釈迦様は生まれた時、「天上天下、唯我独尊(てんじょうてんが、ゆいがどくそん)」と言われたと伝わります。
「人は天上天下広しといえども、私はたった一つしかない命を授かり、使命を持ってこの世へ生まれてきた」という意味です。

また、親鸞聖人は『正信偈』で、「如来所以興出世(にょらいしょいこうしゅっせ)唯説弥陀本願海(ゆいせつみだほんがんかい)」《如来、世に興出(こうしゅつ)したまうゆえは、ただ弥陀の本願海を説かんとなり》とあります。
お釈迦様がこの世に出たのは、すべての人々を必ず幸せにしてみせると誓われた無上殊勝(むじょうしゅしょう)の阿弥陀如来の本願一つを説くことにあったという意味です。
「我は生まれてきたのだ」とのお釈迦様の歓喜が、「天上天下、唯我独尊」という言葉となったのです。

私たちは人としてこの世に生を受けました。
一流大学を卒業した。一流企業へ就職した。お金持ちになった。など、それも大事なことではありますが、私たちの価値は取った行動や出した結果だけにあるのではなく、その人の存在そのものにあるのです。
生まれ難くして生まれてきた私のいのちが尊いのです。
そして、その尊いいのちに寄り添ってくださる阿弥陀様のおられることに感謝し、今年もお念仏させていただきましょう。