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今日の法話2022/08/01

『お盆の意味と布施の意味』

今年の6月末、昨年の7月から就任していた玉野ライオンズクラブ会長の一年の任期が終わりました。ライオンズクラブの奉仕活動の一つにドネーションという行為がありますが、一年間、欠かすことなく、毎月二回の例会で定額のドネーション(寄付行為)を行い、LCIFと言って、視力保護、災害援助、糖尿病や小児がんなど、世界規模の援助に役立てられる寄付(MJF)もさせていただきました。
今日はこのドネーションという言葉の語源について、お話しをさせていただきたいと思います。

医療で臓器を提供する人を英語でドナーと言いますが、サンスクリット語(インドの言葉)ダーナ(布施)が語源で、ラテン語のドーヌム(贈り物)となり、英語のドナー、ドネーションとなりました。日本語の檀那(だんな)もそれが語源で、大切なものを施すという意味があり、お金であったり、自身の臓器であったりします。
ここで重要なことは大切なものを施すことの意味です。

布施は六波羅蜜(ろくはらみつ)(お釈迦様の教え、幸せになるための六つの善行)の一つで、自分の喜びでもあります。
それに対し、施すことをしないで自分の事しか考えない人のことを餓鬼と言い、苦しみの世界、六道の一つです。

お釈迦様のお弟子、目連尊者は亡くなった母の様子を、神通力により探します。
母は目連かわいさの余り、他に施しをしなかったことにより、餓鬼道に堕ち、苦しんでいました。
目連は、お釈迦様になんとか母を救えないものかとすがり、お釈迦様は、修行僧達の修行が7月15日に終わるので、すべての修行僧達に、ごちそうをふるまうよう説きました。

その結果、目連尊者の母は餓鬼道から救われ、目連は歓喜の踊りを行います。これが、盆踊りの始まりとなりました。(盂蘭盆経《うらぼんぎょう》より)
布施は金品の施しだけを言うのではありません。人にやさしい言葉をかけたり、電車で席をゆずったり、ゴミ拾いをすることも、布施の行為なのです。
餓鬼のような生き方しか出来ない私たちですが、目連尊者のお話しを通して、布施の意味を知り、尊いお盆をお迎えしましょう。