母は認知症が進行し、現在、施設でお世話になっています。コロナ感染症の影響で面会が制限され、直接会うことが出来なくなり、今はガラス越しに毎月一回、予約を入れ、坊守と施設を訪問しています。
車いすの生活になりましたので、病院へ診察に行くときは、介護士と介護タクシーが必要で、家族も同行はしますが、病院で待合せ、診察が終われば施設の車で、母は直帰します。
一年ほど前のことです。この頃は、病院の診察を家族が連れて行くことができていたので、コロナ禍でも道中、病院での待ち時間など、長時間、母と会うことができました。
心臓のペースメーカー手術後の定期的な診察のため、母を病院に連れて行った帰り、久しぶりにお寺に立ち寄り、本堂でお参りをしました。
認知症はかなり進行し、私のことも分からなくなりつつありましたが、本堂でのお参りが始まると、経本が無くても、母は大きな声でお経を上げ、お念仏しました。
毎日、内仏と本堂でお参りをしていましたから、他のことは忘れても、お念仏は忘れてはいません。
阿弥陀様が母に寄り添ってくれていることに感謝し、私も大きな声でお念仏しました。
母が衰えていく姿に接すると、辛く、寂しい気持ちになります。
しかし、そんな私にも阿弥陀様は寄り添ってくれています。
阿弥陀様が私に届いているから、私の口からお念仏がこぼれ出るのです。
南無阿弥陀仏