今日の法話2025/05/03
仏説阿弥陀経に出てくる「六鳥」とは
法親寺のお内陣には、仏説阿弥陀経に出てくる「六鳥」が描かれています。『六鳥』は、罪の報いで鳥に生まれ変わった畜生ではなく、阿弥陀様が仏法を伝えるために姿を変えて現れた姿です。
六鳥とは、白鵠(びゃっこう)、孔雀(くじゃく)、鸚鵡(おうむ)、舎利(しゃり)、迦陵頻伽(かりょうびんが)、共命の鳥(ぐみょうのとり)を指します。
仏様の本体は「法」そのもので、私たちにはそのままでは分かりません。
だからこそ、仏様は私たちが見たり聞いたりできる姿(これを「変化(へんげ)」や「化身(けしん)」といいます)で現れてくださいます。
阿弥陀様が私たちを導くために現れる世界を「報土(ほうど)」と呼びます。
お釈迦様も阿弥陀様の化身とされ、親鸞聖人もまた阿弥陀様の化身と尊ばれました。
浄土真宗の本山には阿弥陀堂(阿弥陀如来を祀る)と御影堂(親鸞聖人を祀る)の二つの本堂があります。本堂とは本尊をお祀りするところで、浄土真宗の本尊は阿弥陀様一仏なのですが、御影堂も本堂なのは、親鸞聖人が阿弥陀様の化身と考えられているからです。
つまり、仏様は私たちに分かる形で現れ、仏法を伝えてくださる存在です。
六鳥もその一つの姿であり、私たちに仏の教えを伝えてくれているのです。
私たちが仏法に出会えるのも、阿弥陀様がさまざまな姿となって常に導いてくださっているからなのです。