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今日の法話2008/09/14

『頭の下がる人』

私は法話を書いたり、話したりするときに気をつけることがあります。
それは、話の内容にお聖教を引用することなのですが、これは私が大学時代に師から学んだことです。
「今日の法話」もそのことを心がけ書いてきました。
しかし、世の中には、人生を生きるに当たり、支えとなったり、勇気づけられる話は多々あり、これからは「今日の法話」でそのような内容もお伝えしたいと思います。

先日、ご門徒の法事の会食の時に、当家のご主人から聞いた話が勉強になりましたので、そのことをお伝えしたいと思います。

その方は、岡山でも一二と言われる和菓子屋の社長なのですが、その日の法事での私の法話と座談の中での私の話について、会話に花が咲き、会食をいただきながら二時間近くもお話をさせていただきました。

その日の法話については、又の機会に話させていただきますが、座談での話とは、私がある出会い(その出会いも劇的なものなので、又の機会に話します)から手に入れ読んだ本の内容についてでした。
その本とは、ロンダ・バーンという作家の著した「ザ・シークレット」とジョー・ビタリーという博士が著した「ザ・キー」についてでした。
どのような本かというと「成功への扉を開く 引き寄せの法則」とでも言うのでしょうか。

この本の内容についても、又の機会にということで、早速ですが、そのご主人との話の内容に入りますが、社員教育や社員とのコミュニケーションについて、社長自身が受講しているセミナーについて、生き方のモットーについてなど、多種多様に亘り、話を聞かせていただきました、

その中で、「住職さんは、《イチローの作文》を読まれたことがありますか。」と「京セラの創業者《稲盛和夫の哲学》をご存知ですか。」と聞かれました。
恥ずかしながら、共に私は知りませんでしたので、その内容についてお尋ねしました。

《イチローの作文》については、イチローの小学校の時の作文なのですが、現在、イチローは、小学校の時に書いた作文通りの人生を形成しているというものでした。
《稲盛和夫の哲学》については、「運」について、社長と私が論議していたとき、その哲学の内容として、『運とは、自らつかむものであり、しかも、タイムリーでなければならず、スピードを必要とする。』との話でした。例えとして、社長が話してくれたのは、「運がやってくる。その運を前髪のみが伸び、後ろ髪のハゲた人だと仮定する。その人が、やってきたとき、タイムリーで前髪をつかめば、その運は手に入る。しかし、その人が通り過ぎた後で、その運をつかもうとしても後ろはハゲて髪が無いので、つかめず、その運は通り過ぎてしまう。常に準備しておかねば運はつかめない。」とのことでした。

《イチローの作文》を掲載させていただきます。

ぼくの夢   
愛知県かすがい郡とよなり小学校 6年2組 ( 鈴木一朗 )

ぼくの夢は、一流のプロ野球選手になることです。
そのためには、中学、高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。

活躍できるようになるためには、練習がひつようです。
ぼくは、三才のころから練習を始めています。三才から七才までは半年くらいやっていましたが、三年生の時から今までは、三百六十五日中、三百六十日は、激しい練習をやっています。だから、一週間中で 友達と遊べるのは、五〜六時間です。

そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。そして、中学、高校と活躍して、高校を卒業したらプロに入団するつもりです。そして、その球団は、中日ドラゴンズか、西武ライオンズです。ドラフト入団で、契約金は一億円以上が目標です。

ぼくが、自信のあるのは、投手か打撃です。去年の夏、ぼくたちは、全国大会に行きました。そして、ほとんどの投手を見てきましたが、自分が大会ナンバーワン選手と確信でき、打撃では、県大会四試合のうち、ホームランを三本打ちました。そして、全体を通した打率は、五割八分三厘でした。

このように、自分でも納得のいく成績でした。そして、ぼくたちは、一年間負け知らずで野球ができました。だから、この調子で、これからもがんばります。

そして、ぼくが一流の選手になって試合に出られるようになったら、お世話になった人に招待券を配って、応援してもらうのも夢の一つです。

とにかく、一番大きな夢は、プロ野球の選手になることです。


その日の夜は、お寺で『唯信会』の発会式がありましたが、その社長は本堂の一番前で聴聞されていました。
その姿を拝見して、『僧侶は一生涯勉強』が私のモットーでしたが、僧侶に限らず、人は一生涯勉強であり、それを実践している人には、頭の下がるとの思いの一日でした。

平成20年9月14日