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今日の法話2009/01/10

『いつものレンコン畑』

私のお寺は玉野市にありますので、ご門徒の多くは、市内にあります。しかし、様々なご縁で、岡山市や倉敷市にもご門徒があり、参らせていただいています。
盆などは、弁当持参で遠方の地区をお参りするのですが、倉敷市に参るときは、決まって弁当を食べる場所があります。

それは、一面レンコンを栽培している蓮田を右にも左にも見ることができるスーパーの駐車場なのですが、ここで食事をとって、ボーと水面に出た白や薄紅色の大きな蓮の花を見ていると、疲れもどこかへ吹っ飛んでしまうのです。
泥中のレンコンは冬収穫されますので、今頃は農家の方が掘り出して出荷している最中だと思います。

ところで、この蓮の華は、仏様の華として、盆にはお仏壇にも供えられる方も多いのではないかと思います。泥中は、迷いの世界、シャバをさし、華は悟りの地、浄土をさすとも言われます。泥中の泥んこの中に咲く美しい蓮の花が、私たちに、「あなた方は、煩悩うずまく迷いと苦しみの世の中に暮らしているが、仏様の教えに出会うことによって、私のように美しい華を咲かせなさい。」と呼びかけているようにも思えます。

政治や経済は混迷の度を深め、目を覆い、耳を疑うような悲惨な事件が毎日のように起こる社会、いったい世の中はどうなるのでしようか。

今日、法事へ参る道中で、いつものレンコン畑の横を車で通りながら、そんな思いにふけったことでした。

平成21年1月10日