今日の法話2009/07/09
神社へ参り学んだこと 2
今回は前回(昨日)の続きになりますが、そのことの前に、Aさん宅の7月の月参りでの話しをさせていただきます。
このホームページでもご紹介致しましたが、当寺の平成の大修復が完工し、Aさんにもそのことの報告と懇志ご進納へのお礼を申し上げました。
「住職さんは、運があるぞ。」「しかし、運は引き寄せにゃいけん。待っとっても、運はやってこん。一生懸命努力するから、運はやってくる。住職さんは、この度、大きな事業を成しとげた。素晴しいことや。がんばったな。しかし、まだ若い。これから、まだまだ努力して、事業も行い、寺を発展させてほしい。」
Aさんは、私にこのように言われました。
さて、香川県のA神社を訪れ、車を駐車場に止め、参道を進んだ私は、美しく整った社を始めとする建物に驚きました。しかも、建設年度を見ると、どれもが近時のものばかりです。近年次々と新しい施設を建設したものと思われます。また、平日にもかかわらず、大勢の人が参詣していました。
私は、Aさんが言ったとおり、授与所へ行き、祈祷を依頼しました。Aさんが言ったとおり、五千円をお供し、受付で氏名を書きましたが、「何を祈念しますか?」とたずねられ、幾つか印刷してある願いの中の一つに丸を付けて差し出しました。(何であったかは覚えていません。)
拝殿へ丁重に案内され、座る場所を指定されると、お祈りが始まりました。お祈りの意味や作法はわかりませんが、中に私の名前が読み込まれていました。その後、お神酒をいただき、神主さんの挨拶があり、神子さんから手さげ袋が渡され、神子さんからその中身について丁寧な説明がありました。
その後、神社境内を見て周り、各所で参拝して帰路につきました。
帰りのフェリーの中でいただいた手さげ袋の中身を見ると、お札、絵馬、神酒をいただいた時に使用した素焼きの杯、円錐形の塩、入浴剤、神社の歴史を説明したパンフレットが入っていました。
それを手に取り私が感じたことは、おそらくそこへ参詣した人は、安心と得をした気持ちで帰路につくに違いないということです。
次に思ったことは、私のお寺に参った人がお経と法話を聞いて、安心と得した気持ちで帰路についているかどうかということです。
お寺と神社の運営を一概に比べることはできません。
教えが異なるからです。
しかし、悩みを持った人が寺を訪ねて、安心を得て帰ってもらう。
親しい身内の法事を勤めた人が得した気持ちで寺を後にする。
初めて寺へ参った人にこのことを感じていただく事は、非常に努力のいることだと考えています。
しかし、このことは何も特別のことではなく、お寺の役目であることをあらためて知らされました。
3月にAさん宅へお参り行ったとき、「勉強になりました。」とお礼を申し上げると、「努力をするから人が参る。人が参るから繁盛する。繁盛するから建物もどんどん立派になる。立派になれば、また人が多く参る。何事も努力やで。」
とのAさんからの言葉。
今月(7月の月参り)の話に戻りますが、当寺の「平成の大修復完成記念法座(7月予定)」の案内をすると、「もう足が痛うて、耳も聞こえん。五体が言うこときかん。法座へは参れんから、先日、もう寺へ参ってきた。立派に出来とった。」
とのAさんからの言葉。
Aさんの助言を無駄にせず、これからもお寺の繁栄のために、努力したいと思う。
H21.7.9