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今日の法話2009/09/14

「生きるということは」

皆さん こんにちは。

青年会議所の研修会での講演を依頼され、先日、岡山市の会場で1時間余りの話をさせていただきました。

私の講演の前に長崎文化放送の作成した「愛してるよカズ」というドキュメンタリー番組のDVDを視聴してからの講演でした。
初め講演依頼のあった時、私自身の青年会議所での活動や学んだことを話すつもりでいたのですが、後に担当の方から、そのDVDを放映してから後の講演になり、内容を絡めての話をしてほしいとのことでしたので、私も事前にDVDを視聴し、本を読ませていただきました。

それは、光武上総(かずさ)君という2歳の子供が小児がん(悪性腫瘍)を発症してから7歳で生涯を終えるまでの上総君のお母さん綾(りょう)さん(32)の手記である本と闘病生活から臨終までをフィルムに収めたドキュメント番組でした。
内容については、到底ここで伝えることはできませんので、是非本を読み、DVDを見ていただきたいと思います。

命、死、生きる意味、愛など、幼い子とその家族からの真実のメッセージが伝わる内容であると私は感じました。

講演の冒頭、私は、「このDVDを視聴する縁をいただいたからには、ただつらい出来事、悲しい話とのみ捉えるのではなく、何をメッセージとして自分のこころにもらったかを確かめ、自らの今後の人生の糧として生活に絡めていかねば、上総君やご家族に申し訳ない。」と伝えました。

私の講演の前、DVDを視聴した後に、司会者が「この家族は幸せな家族であるのか、不幸な家族であるのか。」との質問を何人かの参加者にしました。
その多くが、「充実した時間を過ごし、家族がお互いの愛を確認し、幸せな家族である。」と答えました。
私は、講演に入り、そのことに触れ、「不幸な事実だ。」と私の意見を述べました。
人の死ほど冷酷で悲惨な現実はありません。
それが幼い子の病の苦しみや死ともなると、尚更に深い悲しみと心を締め付けるような重苦しさを感じます。
他人の子供であってもそうなのですから、それがわが子であったらと想像すると恐怖心さえ覚えます。
しかしながら、そのようなことに出会わないとも限らない危うい人生を送っているのが私たちなのです。
人が人に教えることの中で、自身の死をもって教えることほどに真実味があり、確かな教えはありません。

幼い子とその家族からの真実のメッセージを、それぞれの心に、深く重く感じていただきたいと思います。

このDVDのことを話の中に絡めながら、仏教の話、JCマンとして人としての生き方など過去の私のJCでの体験も入れ、最後は以下をエンディングに講演を終了しました。

H21.9.14