今日の法話2010/02/26
『大事なものを大事にする』
あなたが妻なら、仕事に出かける夫をどんな気持ちで家から送り出していますか。
あなたが夫なら、家を守る妻になんと声をかけて仕事に出かけますか。
あなたが親なら、登校する子供をどんな気持ちで見送っていますか。
‥‥‥‥‥
「学校からの帰り道、父からの携帯電話が鳴りました。」
「兄が事故で亡くなったと父が話すのです。」
「いつも冗談ばかり言う父だったから、また冗談かと思ったが、気丈な父が泣いていたので、兄の死が事実だとすぐにわかりました。」
‥‥‥‥‥
事故で亡くなった兄のために弟は葬儀会場で泣きながら兄へメッセージを伝えました。
前文はそのメッセージの出だしです。
朝会って、夜には元気で会えないかもしれない。
今日会って、再会を誓っても、次は元気で会えないかもしれない。
『‥‥‥‥ 今日とも知らず、明日ともしらず、おくれさきだつ人はもとのしづくすえの露よりもしげしといへり。さればあしたには紅顔(こうがん)ありて、夕(ゆうべ)には白骨となれる身なり。‥‥‥‥』(白骨のご文章 蓮如上人)
今の大切さ、人生において大事なものとは‥‥
あなたは『大事なものを大事にする』という当たり前のことができていますか。
『最後だとわかっていたなら』(ノーマ コーネット マレック作 佐川睦訳)
あなたが眠りにつくのを見るのが 最後だとわかっていたら
わたしは もっとちゃんとカバーをかけて
神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう
あなたがドアを出て行くのを見るのが 最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて抱きしめただろう
あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが 最後だとわかっていたら
わたしは その一部始終をビデオにとって
毎日繰り返して見ただろう
あなたは言わなくても 分かってくれたかもしれないけれど
最後だとわかっていたら 一言だけでもいい・・・
「あなたを愛している」と わたしは 伝えただろう
たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで 今日で全てが終わるのだとしたら
わたしは 今日 どんなにあなたを愛しているか 伝えたい
そして わたしたちは 忘れないようにしたい
若い人にも 年老いた人にも
明日は誰にも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは
今日が最後になるかもしれないことを
明日が来るのを待っているなら 今日でもいいはず
もし明日がこないとしたら
あなたは今日を後悔するだろうから
微笑みや 抱擁や キスをするための ほんのちょっとの時間を
どうして惜しんだのかと
忙しさを理由に その人の最後の願いとなってしまったことを
どうして してあげられなかったのかと
だから 今日 あなたの大切な人たちを
しっかりと抱きしめよう そして その人を愛していること
いつでも いつまでも大切な存在だということを そっと伝えよう
「ごめんね」や「許してね」や
「ありがとう」や「気にしないで」を伝える時をもとう
そうすれば もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから
(『最後だとわかっていたなら』(サンクチュアリ出版)より引用)
H22.2.26