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今日の法話2007/03/27

「ホーホケキョ」

皆さん こんにちは。

「今日の法話」を読んでくださっている方々の中に、「私は、なんでこんなにダメな人間なのだろうか‥‥」「私は、なんでこんなに人より劣っているのだろうか‥‥」と悩み苦しんでいる人はいませんか?

もし、そのようなことで悩んでいる人がいても、心配は無用です。
人には、早咲き遅咲きがあります。
現に、世界中を見ても、成功した有名人の多くは、幼い頃から天才と言われた人は少なく、努力と忍耐、悩みと苦しみの果てに成功を勝ち取っています。
身近なところでは、芸能界ですが、大物と言われる芸能人は、長い売れない時代を経て、やがて有名になっています。

また、悩みや苦しみ、あるいは逆境や逆風は、あなたを成長させるために必要なものであり、順風満帆な人生は、人間に味や幅を作りません。

季節は春になり、随分暖かくなって参りました。
お寺の近くの山でも、もうしばらくすると、ウグイスが鳴きだします。
以前、雑誌で読んだのですが、「ウグイスの仕込み方」という記事がありました。

ウグイスを仕込むには、雛鳥(ひなどり)を良いウグイスのそばにおいておくそうです。
すると、「ホーホケキョ」
良いウグイス、即ち、ウグイスの先生が美しい声で鳴きます。
すると、雛鳥は、まるで酔ったように、先生の声に聞きほれます。
幾日も幾日も黙って聞いています。
そのうち、自分もそっと小さい声で、「ホーホケキョ」とやってみる。
しかし、始めは、「ホー」だけであったり、「ホーホー」だけであったりする。
それを幾日も幾日も繰り返していくうちに、やがて一人前に「ホーホケキョ」と鳴くことができるのです。

ところが、面白いことに、結局ダメなウグイスほど、早く先生のまねを始めるし、また出来もしないのに一人前のように歌いだすそうです。
反対に良いウグイスは、幾日も幾日も黙って聞いているそうです。
このウグイスは、おかしいなと思うほど、黙って聞いている。
そして、最後に歌いだすのです。
「ホーホケキョ」と。
ところが、そうしたウグイスほど、美しい声の良いウグイスになるそうです。

私たち人間も同じです。
知識のないものほど、言いたがる。知らないものほど、知ったかぶりをする。

最高に美しい声で鳴くためには、逆境や逆風に苦悩し、人間の本質を見る目を養わなくてはなりません。
しかし、それには、努力と忍耐が不可欠なのです。

平成19年3月27日