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今日の法話2007/12/15

仏教徒の行き場所は、「天国」ではなく、「極楽」。

皆さん こんにちは。

春風亭小朝さんが、先日、妻泰葉さんと離婚をしました。
「離婚届がラブレター」と名言を残して、笑顔での記者会見は、記憶に新しいところです。
小朝さんは、1987年初代林家三平の次女・泰葉さんと結婚したのですが、20年連れ添った妻との離婚でした。

実は、その小朝さんが、20年前の1987年、その年の2月ごろ、確か6月に結婚式を行うと言うことで、テレビ番組「笑っていいとも!」にゲスト出演して話していた話を私は思い出すのです。

彼は、自分の師匠である、今は亡き三平師匠のことを話していました。
また、その師匠の娘さんとその年の6月に結婚するという話題もありました。
即ち、泰葉さんとの結婚のことです。
内容は、さすが落語家、面白い話だったことを覚えています。

ただ、その話の中で、三平師匠のことを、「天国にいる三平師匠」と言い、「私がプロポーズしたのは、天のお告げがあったからです。」と天国、天、神などの言葉が多く出てきたので、この人はキリスト教徒なのかなあと思って聞いていたら、結婚式には、「神主に祝詞をあげてもらう。」と言い、最後に、「三平師匠の墓参りをする。仏壇に手を合わす。」と続いたので、私は、この話の内容をその頃の法話の材料に使わせてもらいました。
したがって、20年も前の話なのですが、その内容を覚えているのです。

「天国」と言う言葉を、私達は、テレビなどでよく耳にします。
しかし、「天国」は、キリスト教の言葉です。
洗礼も受けていない仏教徒が行ける場所ではありません。
仏教徒が行くところは、「極楽」です。
仏教徒でありながら、どうして私の行き場所を「天国」と言うのでしょうか。

「仏説阿弥陀経」で、お釈迦様は、「極楽浄土」を言葉を重ね、様々な表現でお示しくださっています。
四宝、金・銀・瑠璃(るり)・玻瓈(はり)で大地が敷き詰められている。とか、七重の欄干、網、並木があるなど、まるでおとぎ話か夢物語の世界のように表現されています。
しかし、単なる夢物語ではありません。
一つ一つの言葉に、お釈迦様の深いご教化があります。
ご法話の中で、お釈迦様の表現された極楽の様子を話すと、「ほんまにそんな所なんですか?」といかにも信じがたいように聞かれる方がおられます。
それは、「もっと理論的に示してくれた方が‥‥」という気持ちがあっての質問だと思います。
しかし、私たちにとって、理論的に説かれるより、この様な物語の方が、あじわいとしては深い感銘が起こるのです。
お釈迦様は、極楽を説くことによって、この世の誤ったあり方を諭し、真実とは何かを教えてくだっているのです。
何が本当であり、どう生きることが本当かを明らかにしてくだっているのです。
難しい理論ではなく、誰にでもわかるようにと、物語として示してくださったのです。
理屈っぽい私達にとって、それは受け取りがたいのかもしれませんが、それも私に問題があることを知らねばなりません。

私の行く場所は、極楽であり、先立ったものと再び会える処であることを確かなこととして感じていきたいものです。

平成19年12月15日