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今日の法話2008/02/29

女性について説かれたお経

皆さん こんにちは。

このホームページをご覧になっている方々が、男性なのか女性なのか私にはわかりません。しかし、お寺の法座に参られる方は、明らかに女性の方が多いように思いますから、「今日の法話」をお読みくださる方々も女性の方が多いのかもしれません。
今日は、そんな女性のために、女性について説かれたお経、女性が特に救われる道についてお話しいたしましょう。

まず、始めに「お経」というのは、お釈迦様がお説きになったものをいいます。
お釈迦様の時代、今から2500年ほど前のインドは、バラモン・クシャトリヤ・ヴァイシャ・スードラというような、四姓制度という大変厳しい身分制度がありました。特に女性に対する差別も当然のこととのように行なわれていました。
そんな時代にお釈迦様は、特に女性に対して救われる道をお説きになっているのです。
「女性よ。心配することはないよ。」と、力づけておられます。
それが、「大無量寿経 第35願 女人成仏の願」です。

たとい我、仏を得んに、十方無量不可思議の諸仏世界に、それ女人あって、我が名字を聞きて、歓喜信楽し、菩提心を発して、女身を厭悪せん。寿終わりての後、また女像とならば、正覚を取らじ。

2500年前のお釈迦様の時代だけでなく、800年前の親鸞聖人の時代も、500年前の蓮如上人の時代も、古代伝わる封建制度により、女性は軽視されていました。

親鸞聖人は、お釈迦様の女性でも成仏できるという道を更に進んで、「男女(なんにょ)老少をえらばれず」と言われ、阿弥陀如来の本願は、男性も女性もまったく差別なく等しく救済されるとあらわされました。

しかし、800年前どころか、男女平等、いや女性上位といわれる現代においても、やはり女性を罪深く不浄だとする考えは残っているように思います。
例えば、トンネル工事の開通式に女性が参加できなかったり、女性の上がれない山があったり、土俵に女性が上がれなかったりと‥‥ 数えればきりがありません。

しかし、仏様の世界には、救いの不平等はありません。
不平等を作ったのは、仏様ではなく、罪悪深重の人間なのです。
そんな人間を、丸ごとお救いくださる仏様の存在を思う時、あらためてありがたいのです。

平成20年2月29日